部会長挨拶

産業技術総合研究所
古屋 武

佐藤前部会長の後をうけて、9代目の基礎物性部会長を務めさせていただく産業技術総合研究所の古屋です。2020 年度から2 年間、部会役員の皆様にご協力いただきながら、部会のために尽力させていただきますのでよろしくお願い申し上げます。

2020 年は、COVID-19(新型コロナウィルス感染症)と共に始まり、共に暮れようとしています。日本では、4 月中旬の全国への緊急事態宣言と第一波、8 月の第二波を経て11 月から今に至る第三波と、感染拡大の防止と社会・経済生活の維持を両立させる難しい取組が続いています。三密やリモート、新しい生活様式など、この困難な取組を表す新たな言葉が生まれました。

企業では、リモート勤務を含む企業活動のオンライン環境への移行が、大学では講義のオンライン環境移行と実験・実習の両立がそれぞれに進められており、大学の先生がたをはじめとする関係者のご尽力に改めて敬意を表します。

化学工学会においても、2020 年3月の第85 年会は学会場(関西大学千里山キャンパス)での行事は実施されず、講演要旨を公開して講演者と直接連絡によるディスカッションとなりました。9月の第51 回秋季大会は、学会場(岩手大学)での行事は実施されず、全てオンラインで開催されました。2021 年3 月20 日から22 日に開かれる第86 年会も、オンライン開催が決定されています。海外の国際学会も中止あるいはオンライン開催となり、自室からコンピュータ(タブレット端末、あるいはスマートフォン)越しに学会講演を聴き質問するという環境が、普通のことになりました。基礎物性部会も、化学工学会の開催方針に従い、第51 回秋季大会はオンラインで部会シンポジウムを開催、学生賞の授与もあわせて行うことができました。初のオンラインでの部会シンポジウムに取り組んでいただいた、シンポジウムオーガナイザーである保科貴亮氏(日本大学)、森寛敏氏(中央大学)、平賀佑也氏(東北大学)のご尽力に改めて感謝いたします。

このような状況のもとで、基礎物性部会の部会活動をどのように進めていくかは、改めて考えなければならない課題と認識しています。部会役員ならびに部会員の皆さまのご協力をいただきながら、基礎物性部会活動を進めて行きたいと思います。皆さまのご協力をよろしくお願い申し上げます。