部会長挨拶

金沢大学 山田 秀尚

基礎物性部会11代目部会長を務めさせていただく、金沢大学の山田秀尚です。児玉大輔前部会長の後を受け、2024年度から2025年度にかけて、副部会長(佐々木正和氏、春木将司氏、牧野貴至氏)、事務局(保科貴亮氏)、幹事、及び会員の皆様とともに、部会活動に尽力して参ります。

物質の物理化学的性質、すなわち、相平衡物性や輸送物性などを研究対象とする本部会は、日本の化学工学物性データベースの構築を担ってきた物性定数調査委員会を母体に2003年に発足いたしました。本部会には、化学工学物性研究を専門とするものだけでなく、その実践をなそうとする多様なメンバーが集っています。

さて、社会が抱える課題の解決に貢献することは、学会や学者の使命と言っても良いでしょう。また、企業においても、その社会的責任が厳しく問われるようになっています。食料、水、エネルギー、生物多様性、資源循環、そして気候変動などに関して、重要な目標を達成する道筋の多くに、化学工学が果たしうる役割があるのではないでしょうか。

人工知能(AI)の導入など、新たな手法を構築し、基礎物性研究や化学工学を進化させることに大きな意義あることは言うまでもありません。また、物性測定及び物性推算を軸とする物性研究は、今後も化学工学、そして社会課題の解決にとって不可欠な基盤であり、本部会もそのような存在でありたいと考えています。

本部会に受け継がれている環境面に目を向けると、「産官学、学生、若手研究者、中堅、シニアが和やかな雰囲気のもと、フラットに議論を行う」という良さがあります。ご興味のある方は、是非、本部会の活動にご参画下さい。皆さまのご協力をよろしくお願い申し上げます。